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●○ 冬物語(5) ○●





二月下旬・春一番が吹き渡った後、暖かい日差しを受ける本堂



屋根から雪が落ちたのはいいが、その下から破損した瓦が所々・・・



屋根に凍り付いていた雪の固まりと一緒に、屋根まで部分的に落ちてしまった・「修理有るべし」!?



寺の中には正法眼蔵・随聞記(4・14)の云われる
「屋壁、疎かなり。満床にことごとくちらす雪の珍珠。くびを縮却してそらに嗟嘘す」
(屋根や壁は穴だらけで、床一面に雪の珠玉を散らしている。坐禅僧は寒さのためにクビをちぢめ、密かに溜息をついている)
という世界が味わえる。雨漏りの音を聞きながらの風流な坐禅の最中、方会禅師のアドバイスを思い出す、
「一方やぶれてもらば、一方のもらぬ所に居して坐禅すべし」
(一方が壊れて雨漏りがしたら、もう一方の漏らない所にいて坐禅をしたらよい)
と。さて、春まであと一坐りか。

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