冬の旅


夢と知りつつなを覚めやらで
今日もまたさ迷いぬ
月は虚空をいと高きに照し示す
果てしなきロンドのことわりを
病葉の霜のへだてなく白きに歩み重く
虚なるくつの響き止まず
冬枯れの梢あやしく影伸がりて
魔手のごとく行くてはばむ
美しきは闇、くめどもつきず
処女の瞳にも似て
狂おしく我をはげます
いくたびかへめぐりいくたびか酔う
静かなる喧噪のやみに強きことよ
凍える腕かきいだき、眉ふるわせ
ふと月の白きを覚ゆとも
道は遠く闇は深し
止むことなき夢のいとなみの
そは冬の旅に似て