流転海47号

安泰寺文集・平成22年度


勲 (兵庫県・二十七歳・非正規労働者)


 安泰寺に上山してから2ヶ月が過ぎました。その間、危険な事、嫌なこと、良くないことはありましたが、仏の御恩、沢山の方々や生きとし生けるものに支えられて合掌の日々を送らせて戴きました。
 今の安泰寺の生活については、泥臭く、ギスギスした雰囲気が少なくもありません。しかし、私のような者でも何かしらの意味はあるようで、昔とった杵柄の武道の技(棒術など)がハイキングの時に他の人に喜んでもらったり、放参の日に本堂で一人読経(大悲呪、観音経など)していると、外で聞いていた外国人の方に誉め称えていただいたりしました。 また、皆で温泉に行ったり、部落の運動会に参加したことも思い出の一つです。2年半修行されていたアレックスさんが方丈に呼び出された日の直後、無言で突如下山されました。彼と最後の挨拶をした私と石井さんは、その苦しみを味わいとして受け取らせて頂いた掛け替えのないものでした。
 最後に、これを読んで下さった方、お世話になった方々、有難うございました。
合掌


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