流転海46号

安泰寺文集・平成21年度


絋揮 (大阪府・五十三歳・フローリスト)


 この世に生を受けて、好むと好まざるとにかかわらず、両親からいただいたこの命「人身得ること難し、仏法値うこと稀なり、遭い難き仏法に値い奉れり」のおしえのなかにもあり、人間として生まれてくると言う事はまことにふしぎなことでありきわめて難値、難遇なことである。人間として仏の真実の教えそして真実の仏師と出会えたご縁はまことに希有なことである。それゆえに両親から頂いたこの命を粗末にするのではなく、先祖、両親を守り、自分の家族を守り、そして脈々と代々と受け継がれることをいつもお祈り願ってこれからの人生を生きていけたらと思うこのごろであります。息子や娘そして代々と受け継がれていくためにも、過去の先祖、両親、そして私が作った悪しき禍、「障道の因縁」を払いのけ日々佛法僧に帰依し坐禅することが、「ただただ坐る、ひたすら坐る」こと。「仏道をならふは自己をならふなり、自己をならふというは自己を坐るるなり、自己を坐るるというは万法に証せらるるなり。」と道元禅師はおおしえくださっています。このすばらしいおしえそして仏師と坐禅に出会えたよろこびを感謝しつつ日々益々の精進し「大人」になれるように修行していきたいと思っております。これからも皆様のご指導ご鞭撻を願いましてお粗末な文ではありますが収めたいと思います。
                          合掌


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