流転海48号

安泰寺文集・平成23年度


北川勲


 こんにちわ。まあ大勢の人の前で話をすることでもありませんし、これを読んでいる人は気楽な心持ちでいると思います。茶の間でリラックスでもしながら…的な。
 さて、核家族化が進み、お寺との付き合いも薄れ、若い人では仏法と全く縁のない方が珍しくないようです。そして、人生の根本を明らかにする宗教よりも、音楽やカラオケなどの趣味、自分の欲求を満たす行為に熱心で人気があります。
 お釈迦様は人生は苦しみであると言われました。それも皆さん日々味わっておるところだと思います。苦痛とか、苦悩とか…しかしそれは結果で見た話であり、思い通りにならないというところに、人生の深い味があるとおもいます。
 今回のタイでの洪水被害、日本で高額な義捐金を出している企業もあります。何はなくとも、人間同士、困ったときや苦しいときは助け合いたいものです。わたしたちは毎日、動植物のいのちをいただいて生活しています。虫も動物も人間も、生きる権利は平等ですよ。食事の際に手を合わせて頂きますと言う時は、私たちが命を奪って申し訳ないという気持ちも添えられています。それは私たち自身も人間としての尊さを与えられ、生かされています。


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