明日からは、今年最後の大摂心である「臘八」が始まります。
二五〇〇年前に、釈尊は12月8日の未明、明けの明星をご覧になって悟りを開いたと言われています。
それにちなんで、12月の1日から7日の深夜まで摂心を行い、日付けが変わったところで「成道会【じょうどうえ】」すなわち釈尊の示された解脱を記念します。

安泰寺の薪ストーブに初めて火を灯すのは、この摂心が終わってからです。7日間本堂の中で身を切るような寒さに耐えた修行僧たちは、8日の明けの明星が昇る頃には、ストーブの横で寝転がっていることも珍しくありません。

成道会の後の作務としては、人参や白菜の収穫と貯蔵、そして味噌作りだけが残っています。
住職は、安泰寺の成道会が終わるなり、横浜にある鶴見大学の成道会に参加するために、すぐ鳥取空港に向かって出発します。
鶴見大学で講演をしたあと、能登半島にある龍昌寺の勉強会に飛んで、10日からは東京に行われる曹洞宗の師家養成所でも講師をつとめます。そして11日には南青山のヨガ・スタジオvedaで三回目のワークショップをします。テーマは『正信—蓮華座と長く付き合うためには』。
(住職のスケジュールの詳細はイベントページにあります)。

12月15日から「結制安居」が始まります。3月15日まで雪にこもって、坐禅と仏典の参究に打ち込みます。今年の勉強のテーマは「ダンマパダ(法句経)」です。各々の修行者が輪講の講師となり、お経の言葉を毎日の生活に照らし合わし、また自らの生活をお経に照らし合わせて、ディスカッションに挑みます。

「結制安居」の大イベントといえば、「法戦式」です。修行僧たちは叢林のキャプテンともいえる首座【しゅそ】に問答を仕掛け、迫力のある仏法の戦いが始まります。それまであと三ヶ月ありますが、今のうちに武器を磨こう!